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京都国立近代美術館ー小林正和とその時代ー
2024.01.12
京都国立近代美術館ー小林正和とその時代ー
ファイバーアートのパイオニアといえる小林正和作品を中心にファイバーアートを検証する展覧会です。私は「商品価値を持つ言葉:健康」素材/薬パッケージ、漆糸、平箔、pvc、木材他を4階に展示していますので、ご覧いただけると嬉しいです。
商品価値を持つ言葉:健康 マスメディアは、人々の若さと健康を駆り立てる。私は、いつまで「健康」という誰にも否定できない言葉のもと、老化に抗わなければならないのか。私の両親は、処方された多種多様な薬を毎回決して忘れずに服用していた。両親にとって薬は、希望の宝石のようなものだったのだろう。私は、友人知人から届いた薬の空パックを彼らの快復を祈り一目一針つなげて制作していくが、いつもそれは、私の願いとはかけ離れた恐ろしく空虚なファンタジーとなってしまう。ロバート・プロクター著書「健康帝国ナチス」日本語訳2003年発行によれば、ナチスは、発がん性物質について研究を行い、禁煙や全粒パンの摂取など、健康的な生活と自然食を推奨したそうだ。いつの時代も、人々の行動を過度に一方向に促す社会は、精神や感情を縮ませてしまう。
【展覧会】京都国立近代美術館
開館60周年記念小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ
2024.01.06 sat. – 03.10 sun.