野田凉美展 糸供養 、ミツバチ
ミツバチの安全と健康がヒトの安全:ハチミツラベルと平箔で編んだ卒塔婆群 子供の頃、祖母に習った編みは、一本の糸と針だけでつくることができ自由度が高く、ヒモ状であれば何でも編むことができ、解く–編む を繰り返せるという魅力がある。
糸供養 多くの職人の手技に支えられてきた伝統に敬意を表し、西陣織の平箔残糸を使用した。
野田凉美展 供養
綿ローンに紋紙模様にバーンアウトプリントで穴を空けて、表面は砂を圧着し裏面は箔プリントしたスクリーン4点。各スクリーンには、表裏にそれぞれ漆糸、平箔、薬パッケージなどを素材に制作した司祭/軍人、医師/僧侶などを思わせるオブジェを配す。
チャーチ・ドレス / ジュリアン・ソレルの襟、サージカル・ガウン / 袈裟とストラ、アスクレピオスの杖 / I’m here、シャツ/ストリング。
Suzumi Noda Exhibition ー供養ー 2024.Feb.1-25 Gallery PARC
私は、消耗品、ラベル、不要品など身近で手に入れやすい素材を使う。街に住み、現代を生きる私にとってそれは合理的で自然なことだ。日常のありふれたものから、人は何を失い、何を欲しているのか、大切なことは何かが見えてくる。かつて西陣織に欠かせなかった紋紙は、デジタルデータへと移行し、金銀平箔は、分業の職人技から無駄のない工程のプロダクト製品へと変わり、物質性の低い情報社会となりつつある。また、大量の薬のパッケージは脅迫的健康長寿社会を象徴しているかのようだ。
編み技法は、穴で構成されているので柔軟性に富み、解いて再使用できるので、モノを増やしたくない私にとって好都合の技法と言える。しかし、出来上がったモノはいずれゴミと化すなら恐ろしいディレンマを含んでいる。
つくることをやめられない私は、せめて先人を敬い供養する慎みを忘れずにいたい。
一本の糸から穴をつくり続けていく単調な行為は、私にとって現生の欲や呪縛から逃れ、自由に浮游するための時間だ。どんな時にも穴をつくれば風通しが良くなり、柔らかで澄んだ思考と精神が得られる。また、穴をつくることは、付け入る隙を与えるということであり、それはちょっとした綻びのような魅力がある。
【展覧会】gallery PARC
Suzumi Noda Exhibition
日時:2024.02.01 Thu.- 02.25 Sun.
MINIATURE WORKS-THE KYOTO- 2024.Jun.13-Feb,3 Gallery NEUTRAL
日にち薬 素材/ 平箔、薬パッケージ、pvc糸 技法/ 編み 他
今回で3回目となるミニアチュール展に出品しています。80名余りの作家が参加していますのでぜひ〜
【展覧会】堀川文化ビルヂング
Contemporary Textile Art MINIATURE WORKS
-THE KYOTO- vol.3
2024.01.13 Sat.- 02.03 Sat.
京都国立近代美術館ー小林正和とその時代ー
ファイバーアートのパイオニアといえる小林正和作品を中心にファイバーアートを検証する展覧会です。私は「商品価値を持つ言葉:健康」素材/薬パッケージ、漆糸、平箔、pvc、木材他を4階に展示していますので、ご覧いただけると嬉しいです。
商品価値を持つ言葉:健康 マスメディアは、人々の若さと健康を駆り立てる。私は、いつまで「健康」という誰にも否定できない言葉のもと、老化に抗わなければならないのか。私の両親は、処方された多種多様な薬を毎回決して忘れずに服用していた。両親にとって薬は、希望の宝石のようなものだったのだろう。私は、友人知人から届いた薬の空パックを彼らの快復を祈り一目一針つなげて制作していくが、いつもそれは、私の願いとはかけ離れた恐ろしく空虚なファンタジーとなってしまう。ロバート・プロクター著書「健康帝国ナチス」日本語訳2003年発行によれば、ナチスは、発がん性物質について研究を行い、禁煙や全粒パンの摂取など、健康的な生活と自然食を推奨したそうだ。いつの時代も、人々の行動を過度に一方向に促す社会は、精神や感情を縮ませてしまう。
【展覧会】京都国立近代美術館
開館60周年記念小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ
2024.01.06 sat. – 03.10 sun.
ブックフェア
1994年Take out Art トマトケチャップに続き、今回はハチミツです。
2022.10-1.Sat.-11.20.Sun BOOK FAIR 開催
お知らせ
この度、2022年2月に出版した「HINTS FOR ART」を紹介する展覧会をhoka booksにて開催する運びとなりました。
この本は、アーティスト 野田凉美の1970年代から現代までの作品をまとめた作品集です。
本展では、来場していただくお客さまにより近くで作品に触れてもらいたい 想いがあり、p14掲載の「Take Out Art:Tomato Ketchup-1994年」のシリーズ作品として、「Take Out Art:ハチミツ」を展示公開することとなりました。観客参加型の作品ですので、ぜひ、ご参加いただければと思います。
場所:hoka books
———–
hoka books _ホームページ
———–
レトロラベル ワークショップ
七夕の日に、メリーゴーランド京都https://www.mgr-kyoto2007.com にてワークショップを開催しました。
60種類あまりの昔のラベルは、ザラザラの紙で少し色ズレしています。昭和の駄菓子屋で飴玉一つを選ぶように、一枚一枚選んで貼って、ラベル帳を作りました。「Fresh fruit」 や「カルピス水」には人工着色と印刷されているのはなぜ?「speciall 」 「コーヒ」など昔のラベルはツッコミどころがいっぱいです。
70年代大阪のオモチャ問屋街松屋町にあったラベル店で扱っていたものなので、京都では「エイセイボーロ」ですが「乳ボーロ」。大阪らしいですね。ボーロはポルトガル語bolo、スペイン語bolloの丸い菓子が語源で、和漢三才図絵に保宇留と記載があるそうです。大阪千鳥屋宗家の丸房露や丸太町かわみち屋の蕎麦ぼうろは、お祝いや手土産にいただくことが多かった馴染みの味ですが。個展中に来て下さった方から滋賀県長浜には堅ボーロというのがあると聞き、気になって、ボーロにはまってしまいそうです。
ワークショップは、ギャラリーギャラリーの川嶋さんからガリガリ君の差し入れがあったり、藍作家やギャラリストなどが入れ替わり立ち代わり訪れ賑やかな一日でした。
ご興味おありの方は、ぜひ次回ご参加くださいね。ボーロ情報もお待ちしています。