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Suzumi Noda Exhibition ー供養ー 2024.Feb.1-25 Gallery PARC

2024.01.12

Suzumi Noda Exhibition ー供養ー 2024.Feb.1-25 Gallery PARC

私は、消耗品、ラベル、不要品など身近で手に入れやすい素材を使う。街に住み、現代を生きる私にとってそれは合理的で自然なことだ。日常のありふれたものから、人は何を失い、何を欲しているのか、大切なことは何かが見えてくる。かつて西陣織に欠かせなかった紋紙は、デジタルデータへと移行し、金銀平箔は、分業の職人技から無駄のない工程のプロダクト製品へと変わり、物質性の低い情報社会となりつつある。また、大量の薬のパッケージは脅迫的健康長寿社会を象徴しているかのようだ。

編み技法は、穴で構成されているので柔軟性に富み、解いて再使用できるので、モノを増やしたくない私にとって好都合の技法と言える。しかし、出来上がったモノはいずれゴミと化すなら恐ろしいディレンマを含んでいる。

つくることをやめられない私は、せめて先人を敬い供養する慎みを忘れずにいたい。

一本の糸から穴をつくり続けていく単調な行為は、私にとって現生の欲や呪縛から逃れ、自由に浮游するための時間だ。どんな時にも穴をつくれば風通しが良くなり、柔らかで澄んだ思考と精神が得られる。また、穴をつくることは、付け入る隙を与えるということであり、それはちょっとした綻びのような魅力がある。

 

【展覧会】gallery PARC
Suzumi Noda Exhibition 
日時:2024.02.01 Thu.- 02.25 Sun.

 

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